東京屈指の観光名所・浅草の浅草寺で、ある騒動が起きている。浅草寺側が先月、参道に並ぶ「仲見世商店街」に対し家賃の大幅引き上げを提示し、商店街には不安が広がっている。
■提示された家賃は今の「16倍」
年間約3000万人もの観光客が訪れる東京浅草の浅草寺。寺までの参道にあたる「仲見世商店街」も活気にあふれている。江戸時代に始まり、日本で最も古い商店街ともいわれる仲見世商店街。雷門から浅草寺まで、250メートルもの間に89店舗が軒を連ねている。この仲見世商店街の家賃は、仲見世商店街によると、これまで10平方メートル当たり平均1万5000円だった。しかし先月、浅草寺側からその約16倍に当たりる月25万円もの家賃を提示されたという。商店街側からは、「想像以上の金額だった。経営がたち行かなくなる店も出てくる」などと不安の声が広がっている。
■浅草寺が東京都から建物を買い取り
なぜ今、家賃の値上げが持ち上がったのか。実はこれまで、仲見世商店街の土地は浅草寺が所有する一方、建物は東京都のものだった。そのため、商店街は家賃を東京都に支払っていた。しかし今年7月、浅草寺が東京都から建物を買い取り、それを機に家賃の見直しが浮上してきたという。
■家賃16倍は「妥当」。でも…
仲見世通り商店街が提示されたという10平方メートル当たり25万円という家賃は妥当なのか。専門家は、25万円は妥当だとしたうえで、経営を続けるのは厳しい店も多いと指摘した。
不動産鑑定士・西原崇さん「同じ台東区でも上野のアメ横では10平方メートル当たり25万とか30万位の物件はあるので、それとの比較で言えば妥当ではないかなと思います」
仲見世商店街の近くで土産物店を営む人は――
「25万円だと自分が経営するお土産店では採算がとれない。ただ業種によってはその値段で入りたいお店もあると思う」
http://www.news24.jp/articles/2017/10/27/07376404.html