大手マスコミは全くと言ってよいほど非難しなかったが、習近平が「新時代の中国の特色ある社会主義」と言っているものは、
とても歴史の審判に耐えうる代物ではない。まさに噴飯ものである。
そもそも社会主義は人々の権利の平等と所得分配の公平を謳う思想であろう。根底に平等がなければ社会主義とは言えない。
中国にはものすごい格差が存在する。共産党幹部と深いつながりを有する一部の富裕層が天文学的な富を蓄えた。
そして、それに連なる人々も裕福になった。その子弟は海外に留学するとともに、ショッピングバックを抱えて銀座を闊歩している。
だが、日本に観光旅行に来て銀座で爆買いできる層は、多く見積もっても13億人の1割程度であろう。
だから日本に来る観光客の数が、人口が5000万人の韓国を少し上回る程度でしかないのだ。
中国には都市住民と農民を峻別する戸籍制度が存在する。この制度は中国がものすごい格差社会になった原因の1つである。
現在、都市戸籍の保有者は約4億人であり、農民戸籍は9億人。
都市戸籍になるか農民戸籍になるかは、「おぎゃー」と生まれ落ちた時に決まる。
都市戸籍を持つ親から生まれると都市戸籍、農民戸籍を持つ親から生まれると農民戸籍になる。
それは武士と農民を分けていた日本の江戸時代にそっくりだ。21世紀になっても中世さながらの制度が存在する。