取材を終えて市内を歩いていると、ヒマラヤの小国ブータン王国大使館の看板を偶然目にした。
ブータンが大使館を置いているのはインド、タイ、ベルギー、バングラデシュ、そしてクウェートのわずか5カ国だそうだ。
調べてみるとその周辺には韓国であまり知られていない南米のガイアナ、アフリカのベナン、レソト、ボツワナといった
人口わずか数十万人の小国の大使館も建ち並んでいた。
内戦の末2011年にスーダンから独立した南スーダンの大使館もあった。
クウェートの広さは1万7800平方キロで慶尚北道よりも小さいが、その中に130以上の国が大使館を設置しているという。
クウェートがここまで友人を増やした背景には戦争のつらい歴史があった。
クウェートは1990年8月2日未明、独裁者サダム・フセインが支配するイラクから突然侵略を受け、わずか2日で首都が奪われた。
自力で主権を奪い返すことはできなかった。
クウェートのアルサバ国王はなんとかサウジアラビアまで逃れ、支援を要請するため各国の大使館を回った。