息苦しそうにしている保志さんを見かねたらしく、口元付近の袋の布がナイフで切られた。
そのすき間からわずかに見えた風景を保志さんは覚えているという。
両端には岩、正面には真っ黒な海と、奥にはいさり火が光っていた。
襲われてからここまでの間、2人は男たちの声を一言も聞いていない。まさに無言の犯行だった。
公園でアベックが追い払われていることから、日本側の第三者が関与するなどした“狙い撃ち”だったようにもみえる。
ただ、デート先に公園を選ぶことを予想できる人物がいるはずもなく、2人は自分たちに起こった悲劇を「偶然だろう」とみているという。