豊洲地下水 基準120倍ベンゼン 都の先月調査分で過去最大
9/15(金) 7:55配信
築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で、都は14日、豊洲市場で継続している地下水調査で8月採取分から環境基準の120倍の有害物質ベンゼンを検出したことを公表した。当初の土壌汚染対策工事が完了して以降、最大だった100倍を超える値で、地下水の汚染状況は続いていることが改めて判明した。
一方、120倍のベンゼンが検出された地点を含め、地上の空気からは基準超えの有害物質は出なかった。土壌汚染対策を検証する都の専門家会議は地下水に関し「大きく汚染状況が変化した傾向は確認できない」と指摘。
「(地上の空気は)科学的な安全は確保された状態」と評価した。
都は追加対策工事を予定しており、「中長期的には改善する」としている。
都は過去の地下水調査で高濃度の有害物質が出た地点を中心に選定した29カ所で毎月、さらに別の17カ所で3カ月ごとに採水を実施。今回は5~8月の採水分の結果を公表した。
4月採取の水から100倍のベンゼンが測定された地点で100倍以上の状況が続き、8月採水分は120倍を記録。全体では46カ所のうち25カ所で基準超えとなった。
ヒ素は13カ所で基準超えとなり、最大3・3倍。検出されないことが基準となっているシアンは22カ所で検出された。環境基準は人が地下水を飲み続けた場合に健康被害を防ぐための指標。豊洲市場では地下水は利用しない。
都は従来、環境基準値以下にする「無害化」の方針を掲げていたが、今年7月に撤回。「専門的・科学的で妥当な対策を講じ、正確な情報発信を通じて都民や事業者の理解を求める」とする新方針を決めた。
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