自民党の長尾敬衆院議員(比例近畿)が七月、民放が偏向報道しているとネットメディアが根拠なく投稿した内容を、自身のツイッターに引用して拡散を呼び掛け、その後「事実でなかった」と謝罪していたことが、長尾氏の事務所などへの取材で分かった。
ネットメディアの投稿には、無関係の在京キー局社員の実名と顔写真が掲載され、長尾氏のツイッターを通じて閲覧できた。長尾氏はツイッターでの呼び掛けを削除したが、顔写真はその後も見える状態になっている。
長尾氏は取材に「事実と違っていたので削除した。それ以外は答えられない」と秘書を通じて回答した。
長尾氏が引用したのは、ネットメディアの六月の投稿。複数の民放について「特定の制作会社に実質的に乗っ取られ偏向報道が繰り返されている」「インタビューで都合の良いコメントをする劇団員を雇い国民を洗脳」などと根拠のない内容とともに、文章の内容とは関係のない社員の実名と顔写真を掲載していた。
長尾氏は七月十二日にこの投稿を写真付きでツイッターに引用し「拡散!情報戦です!」と書き込んだ。その後八月十七日に、「事実ではないことが多々記されていると信頼ある筋から指摘を受けた。取り消して関係者に深くおわび申し上げます」と投稿した。
在京キー局の関係者は「事実ではない投稿に基づき、国会議員が個人攻撃のような投稿の拡散を呼び掛けるのは許されない」と話している。
長尾氏は二〇一五年六月に自民党内の勉強会で沖縄のメディアについて「左翼勢力に完全に乗っ取られている」と述べ、党から厳重注意処分を受けていた。
ソース
東京新聞:自民・長尾氏「民放が偏向」 根拠なく引用ツイート、謝罪:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201709/CK2017090502000242.html