【悲報】日経大本営、財務省の円売り市場操作に一切触れず 他人事のように報じる
謎の円急落
2018/3/29 9:05 日本経済新聞 電子版
豊島逸夫
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28720660Z20C18A3000000/?n_cid=TPRN0026
円の対ドル相場が日本時間28日夕刻の105.60円台からニューヨーク時間には一時107円を突破する急落を演じた。ほぼ一貫して円売りが続いた形だ。
ドル金利は伸び悩み、「恐怖指数」(VIX)は23台まで上昇しているので、金利差拡大・リスクオンが理由とは説明できない。NYのアナリストたちも説明に窮して「ミステリアスな円安」と当惑気味だ。イースター休暇前の通貨投機筋によるドル売りポジション手じまい、が「無難な後講釈」となっている。
日本株には朗報だが、マーケットは「まだ信じられない」「うっかり乗ってハシゴを外されるのでは」と、いまだに疑心暗鬼だ。
このような市況の法則に反する動きが、相場は生き物といわれるゆえんだろう。それにしても、最近は説明できない動きが目立つ。金融政策が超緩和から引き締めへ方向転換する時期で、市場の神経過敏を映す現象ともいえよう。
いずれにせよ円高→株安→円高加速→株安加速、の負の連鎖に、短期的にせよ歯止めがかかったことで、イースター明けに、投機筋がドル売り円買いを仕掛けにくくなった可能性もある。まだ円先高感が強いが、潮目が変わる兆しなのか、注目される。
なお、市場では、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)のじり高現象とイールドカーブのフラット化が不安視されている。
LIBOR上昇は、金融市場にとって「異音」だ。銀行の資金調達コストが上がることは、資金需給がタイトになっていることを示す。為替ヘッジコストも上昇する。
イールドカーブは年内に長短逆転さえ可能性として語られる。短期金利は米連邦準備理事会(FRB)が上げるが、長期金利はマーケットで上がらない。景気後退の前兆とされるので、気になる現象だ。