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西アフリカで21世紀にピラミッドの建設です。詳細は以下から。
西アフリカの内陸部に位置するブルキナファソ。日本からは馴染みの薄い国ですが、この国で新たに建設される国会議事堂が美しいピラミッド型になることが話題となっています。
いったいなぜこの国の国会議事堂が新たに建てられることになったかというと、それは2014年に発生した反政府運動で全焼してしまったから。
この反政府運動は、社会主義路線を推進して女性の地位向上、識字運動、福祉の向上などを図って「アフリカのチェ・ゲバラ」の異名を取ったカリスマ的なトーマス政治家・サンカラ大統領を暗殺し、31年に渡って実権を握り続けたブレーズ・コンパオレ大統領に対抗したもの。
自らの在職中である2002年に行った憲法改正で大統領の3選を禁止したものの、自身の3度目の大統領立候補を可能とする憲法改正案を提出したことを受けて学生など数万人が首都ワガドゥグーに押し寄せて約30人が死亡し、100人が負傷する暴動へと発展。この際に国会議事堂も焼失しました。
その後軍が政権を掌握して結局コンパオレ大統領は失脚。カファンドが暫定大統領の就任と2015年のクーデター発生及び鎮圧という激動の時期を経てロシュ・カボレ大統領が正式に大統領に就任しています。
ベルリン在住のブルキナファソ人建築家、Diébédo Francis Kéréさんはそうして激動の中で焼失した国会議事堂に変わる新たな建築としてピラミッドを選びました。
このピラミッドの階段状になっている部分は24時間人々が集い、座って首都の景色を眺められるようになっています。階段部分は日除けとしての役割も果たし、風が抜けるようなオープンな作りとされます。これらは誰に対しても開かれていること、そして透明性の象徴でもあります。
さらに階段の中央にはブルキナファソの古くからの伝統である「議論の木」が植えられています。村人達は古くからこうした木の回りに集まり、議論をして決定を下してきたもので、まさに国会議事堂にはうってつけと言えそうです。
ピラミッドは広い庭に囲まれ、斜面の一部にはトウモロコシ畑が作られます。雨は地下に蓄えられて畑のための灌漑用水として用いられます。これは都市部での農業についての国民の意識を喚起するためのものであるとのこと。
21世紀に建てられる国会議事堂としてのピラミッドは、古代の王の墓とはまったく性格の異なるものになりそうです。この国の新しい形のシンボルとなっていくのでしょうか?
その他画像等はソースで
「新国会議事堂はピラミッドにする」ことをブルキナファソが決定 | BUZZAP!(バザップ!)
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