令状なしGPS捜査 一部無罪に “司法の審査を軽視”
(抜粋)
裁判所の令状なしに車にGPS端末を取り付けられた被告が、捜査は違法だと訴えた裁判で、東京地方裁判所は、「警察官の行動には司法による審査を軽視する態度が見てとれ、違法の程度は重大だ」として一部無罪の判決を言い渡しました。
平成25年から26年にかけて全国で相次いだ自動車の窃盗事件では、警視庁が裁判所の令状を取らずに容疑者グループの車にGPS端末を取り付ける捜査を行い、48歳の被告が逮捕・起訴されました。
逮捕の際に覚醒剤も見つかりましたが、被告は「GPS捜査は違法だ」として覚醒剤などを裁判の証拠として認めないよう求めていました。
30日の判決で東京地方裁判所の島田一裁判長は、「今回のGPS捜査は1年9か月にわたって行われ、精度もそれなりに高く、プライバシーを大きく侵害するものだった。組織全体で秘密の保持を徹底するなど警察官の行動には司法による審査を軽視する態度が見てとれ、違法の程度は重大だ」と指摘しました。
(略)
最高裁の判決後、GPS捜査について争われた裁判で判決が言い渡されたのは初めてと見られます。
弁護士「画期的な判決」
判決のあと、被告の弁護を担当した坂根真也弁護士は「最高裁の判決の趣旨に従った判断で、われわれの主張が認められた。GPS捜査をめぐる裁判で、証拠が認められなかったことが無罪という判断に直接的に結びついたのは初めてと見られ、画期的だ」と話していました。
(全文は以下リンクより)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170530/k10010999901000.html
5月30日 12時50分 NHK