(長いので抜粋)
内部構造が非常に複雑な燃料ノズル
ただ、一つ問題があった。内部構造が非常に複雑な燃料ノズルの先端部には溶接やロウ付けが必要な部品が20点以上もあり、設計通りに製造するのはほとんど不可能だったからだ。「8回も鋳造を試みたけど、ことごとく失敗してしまったんだ」とエフテシャミー氏。
一方で、シンシナティを拠点とするGEアビエーションのエンジニアたちは、1990年代から3Dプリンター技術のパイオニアであるグレッグ・モリス氏が創設した地元企業のモリス・テクノロジーズと協働してきた。
モリス氏は人間のものづくりの手法を静かに変えてた。材料を切削するのではなく、レーザーを使って髪の毛ほどの厚さの金属粉末層を溶接して積層することで、コンピュータ上にあるファイルをもとに複雑な部品を3Dプリンターで造形。この一連の製造技術は、材料を切削するのではなく積層するため「アディティブ(積層)」と呼ばれている。
GEのエンジニアたちは、長年、モリス氏の工場にある特注の機械で新型エンジン部品の試作品を造形し、新しい設計を何度も繰り返し試してた。
秘密保持契約を結び
しかし、エフテシャミー氏をはじめとするプロジェクト担当者にとって、最も関心があったのは3Dプリンター技術を用いて複雑な部品を大量生産することができるかどうかだった。なぜなら、これはまだ誰も挑戦していなかった試みだったから。
彼らはモリス氏と秘密保持契約を結び、複雑なノズル先端部の設計図を共有した。モリス氏は3Dプリンター技術を使ってニッケル合金でこれを造形し、数日後にチームを招いた。
「あの日のことは今日のことのようによく覚えています」とエフテシャミー氏は振り返る。「興奮と不安が交錯した心境でした。解決策を見出せたと思った反面で、この技術は過去何年にもわたる努力を水の泡にし、また、我々の財務モデルにも大きな変化をもたらすだろうと思いました」(エフテシャミー氏)。
完成した燃料ノズルはチームの大きな期待に応える仕上がりだった。20部品すべてが一体化されていただけでなく、これまでの燃料ノズルに比べ25%の軽量化と4~5倍の耐久性を実現していたのだ。
全文はソースで
航空機エンジン部品はもはや3Dプリンターなしでは作れない!
http://newswitch.jp/p/8923