男性、漂流70分 クーラーボックス命救う 大分
大分県佐伯市で磯釣り中に海へ転落し、約70分漂流した男性(62)の奇跡の救出劇があった。救命胴衣を着用▽波が荒れ、漁を中断した帰港中の船が発見--という基本動作と偶然が重なったためだが、生死の最大の分かれ目は「浮力のあるクーラーボックスを抱えていた」ことだ。佐伯海上保安署は「自らの力で泳ごうとして体力を使うよりも、『浮くこと』を考えて体力を温存させて、救助を待つことが何よりも大切だ」と強調している。【柳瀬成一郎】
佐伯海上保安署によると、男性は救命胴衣を着用していたが、この日は波が時折5メートルにも達するような荒れ模様。救命胴衣だけでは、高波を受けて、体が安定せず、呼吸もできにくく、体力を奪われる場合もあった。
それを救ったのがクーラーボックスだ。転落した際に男性は腹部に抱きかかえ、強い浮力を得た。波にもまれながらも、体を安定させた状態で救助を待つことを可能にさせた。これが小型漁船の航行という偶然を引き寄せた。
http://mainichi.jp/articles/20170512/k00/00e/040/219000c