台湾のホンハイ精密工業の傘下で、経営再建中のシャープは三重県にある亀山工場の事業を強化するため、今後、工場の従業員の数を現在のおよそ2倍に当たる4000人程度に増員する検討をしています。
シャープは三重県亀山市にある亀山工場で、スマートフォンやタブレット、それに、液晶テレビに使われる液晶パネルなどを生産しています。
生産性の向上に向けて、シャープは亀山工場で、45インチの液晶パネルの開発のほか、液晶パネルからテレビまでを全自動で生産するラインの設置などを検討しています。
亀山工場について、シャープは6日、亀山工場では新規となる事業をことし7月ごろに始める計画があるとして、工場の従業員の数を現在のおよそ2倍に増やす検討をしていることを明らかにしました。
亀山工場での事業はスマートフォンなど向けのカメラ部品の生産と見られ、去年12月末の時点で、社外の従業員も含めて2000人余りいる亀山工場の従業員を、今後4000人程度に増やす検討をしているとしています。
三重県知事「歓迎すべきこと」
シャープが亀山工場の従業員の増員を検討していることが明らかになったことについて、三重県の鈴木知事は6日の会見で、「亀山工場から県にも増員の検討について連絡があった。雇用が増えることは歓迎すべきことだが、後日、シャープ側に詳細を説明してもらう予定なので、よく内容を聞きたい」と述べました。
地元も期待
シャープが亀山工場の従業員の数を増員することを検討していることについて、地元では歓迎する声が聞かれました。
シャープ亀山工場は平成16年に稼働し、ここで生産された液晶テレビは「亀山モデル」として、世界へ出荷されました。
しかし、液晶の大幅な価格下落や需要の低迷などで工場の操業率は低下し、現在はスマートフォン向けの小型の液晶パネルなどを中心に生産していて、従業員の数は平成20年のおよそ3100人をピークに2000人ほどに減っています。
地元の70代の女性は「工場ができたときと比べて、駅前の人通りは少なくなってしまいましたが、従業員が増えれば、町もにぎわうと思います」と話していました。
JR亀山駅前で食堂を営む80代の男性は「従業員が増えれば、店に来る人も増えて売り上げも伸びると思う」と期待していました。
亀山市環境産業部商工業振興室の富田真左哉室長は「シャープ亀山工場があることで税収が増え、市の知名度も上がった。従業員が増えることで、経済効果や雇用の増加を期待したい」と話していました。
ソース
ホンハイ傘下のシャープ 亀山工場の従業員2倍増員を検討 | NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170406/k10010938911000.html