千葉県は７日、行政文書や古文書などの資料を収集・保存している県文書館が、県の規定に反し、１９５２年度までに県が作成・取得した「歴史公文書」９１冊を誤って廃棄したと発表した。
「復員資料」や「戦没者遺族台帳」など太平洋戦争に関連した資料が大半だった。
県は２０１５年度、歴史的に重要な公文書を適切に保存するための国の運用指針に基づき、県独自の基準を導入。サンフランシスコ平和条約の発効年以前の公文書は歴史的な価値が高く、「歴史公文書」として保存することになっていたが、１６年３月末に９１冊を誤って廃棄していた。中には「千葉県送出移民団名簿」なども含まれ、「県の歴史を直接振り返る上で重要な資料」（千葉大教育学部・小関悠一郎准教授）が失われた。
県文書館は、収集した文書が約１３万冊となり、「保管場所が手狭になった」として１５年１０～１２月頃、１万２６２０冊を対象に廃棄か保存かを決める判定会議を開催。廃棄リストの中に「歴史公文書」が含まれているとの指摘があったが、担当者が修正せず、そのまま廃棄されたという。
公文書の専門家らでつくる「日本アーカイブズ学会」から、廃棄した文書に関する問い合わせを受け、ミスが判明した。県は今後、関係者を処分するかどうかを検討する。
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