今村復興大臣激怒で見えた日本の記者会見の特異性。「フリージャーナリストは本来の仕事を果たした」 - エキサイトニュース(1/5)
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20170420/Shueishapn_20170420_83484.html
(一部)
「週プレ外国人記者クラブ」第73回は、英紙「エコノミスト」などに寄稿するデイヴィッド・マクニール氏に話を聞いた――。
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―マクニールさんは、今村復興大臣の会見をどう見ていましたか?
マクニール 私を含め、多くのジャーナリストが驚いていました。まず、今村大臣を追及したフリーランスジャーナリストの西中誠一郎さんがあれほど長く話すことを許された点です。日本で開かれる記者会見で、私はひとりの質問者があれだけ長く話すのを見たことはありません。
日本人記者があれほど激しく追及するのも珍しいことです。あの会見場にいた他の記者たちは皆、とても静かで何も言わず、誰も介入しようとせず、ただ座っていただけでした。「自分にも聞きたいことがあるからそこまでにしてくれ」などと言って西中さんを遮(さえぎ)る人もいませんでした。
記者会見は通常、持ち回りで新聞社や通信社の記者がまとめ役として幹事者を務めますが、この会見では幹事者からの指示も全くありませんでした。不思議な光景でしたね。
―西中誠一郎さんにも注目が集まりましたが、逆に今まで記者クラブの記者たちは何をしてきたのか?という疑問も出てきますね。
マクニール 基本的に日本の省庁の記者会見では、出席する記者はそれぞれ一問だけ質問することを許されます。そして、回答に対してさらなる質問を投げかけたり、説明を求めたりすることはほとんどありません。そのため各質問は独立したものになり、相互に関連しないものばかりになって、活発な議論は生まれにくい。だからこそ、大臣会見などでは決まり文句を発表するだけで済んでしまうのです。
―今村大臣の会見では、「このフリージャーナリストは礼儀を知らない」などと批判的な見方をする人もいました。
マクニール 読売新聞のある外国人エディターは「会見映像を見れば見るほど今村大臣を支持したくなる」と言っていました。大臣を質問攻めにする西中さんの態度が失礼なものだったからだそうです。インターネットに書き込まれたコメントにも、西中さんへの批判的な意見が多く見られましたね。しかし、政治家を厳しく追求し、詳しい説明を求めるのはジャーナリストとしての本来あるべき姿です。