中盤・後半も興味深かったので引用の範囲で・・・
紙幣の発行残高は2月末で4%増の99兆円。このうち決済などに使われる分を差し引いてタンス預金の残高を試算した。増加率は3年間で3割強に達する。
(中略)
「実は現金を自宅に置き始めているんですよね」。都内の税理士事務所では昨夏以降、こう打ち明ける顧客が相次ぎ3人現れた。いずれも会社経営の富裕層。10億円の相続を受けた都内に住む50代男性は、現金収入があった時には、一部をそのまま自宅で保管することにしているという。
気にしているのは徴税当局による包囲網だ。
(中略)
海外はキャッシュレス化に向かう傾向が鮮明だ。インドは16年11月に高額紙幣の流通を止め、欧州でも500ユーロ紙幣が廃止になる。
日本も何か対策を打つべきなのか。第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「富裕層の動向がタンス預金が増える一因」と指摘。「将来の増税や思わぬ監視強化など、警戒心の根っこにあるのは日本の財政への不安だ」と解説する。そこが解消されない限り、対策を講じても海外流出も含め富裕層の資産防衛は防げないという。増え続けるタンス預金が抱える根深い問題はすぐには解決しそうにない。