未処理汚水こっそり放出 「秘密の管」111カ所 仙台
仙台市が、大雨のときにマンホールなどから汚水があふれないよう、未処理のままの汚水を「秘密の管」から川などに流していた――。「緊急避難」として、30年近く前からこっそり行われてきた実態が、3月の市議会で明るみに出た。市は国土交通省にも初めて報告。「好ましくない」と改善を求められている。
仙台市の下水道は、雨水と汚水が別々に流れる「分流式」が面積の8割を占め、汚水は処理場で浄化しないと川や海に出て行かないのが原則だ。だが実際には、地中管のひびなどから雨水が汚水管に入り込み、雨天時には管の容量をオーバーしてしまう。このためマンホール内の水位が上がった際、汚水を雨水管にバイパスする「緊急避難管」が、市内111カ所でつくられていた。
仙台市で分流式の処理が始まったのは1979年。当初から大雨のたび、郊外のくぼ地などで、マンホールやトイレから汚物まじりの水がふきだすことが相次いだ。苦情が殺到し、下水道の現場担当者は苦肉の策をとる。マンホールから近くの雨水管までの「抜け穴」を緊急工事でつくり、地上にあふれるのを抑えようとしたのだ。
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http://www.asahi.com/articles/ASK3W7T2FK3WUNHB017.html