トランプ米大統領が出した難民や中東・アフリカの一部諸国からの入国を一時停止する大統領令が大混乱を生み、国土安全保障省によると、国内外の空港などで米入国が認められず拘束・搭乗拒否される人が28日までの2日間で約280人に達した。ニューヨークの連邦地裁判事は、有効な査証(ビザ)などを持つ人の送還は認めないとし、大統領令の効力を部分的に停止する判断を28日示した。ただ、大統領令の合法性などには言及しておらず、混乱は今後も続きそうだ。
トランプ氏は27日、イスラム過激派の入国防止を目的に、入国審査の厳格化を命じる大統領令に署名。米国のテロ支援国家指定を受けたり、政情が不安定だったりする▽イラク▽シリア▽イラン▽スーダン▽リビア▽ソマリア▽イエメン--の7カ国の国民は入国を90日間停止。難民の受け入れも120日間停止した。7カ国はイスラム教徒が多数を占める。
署名を受け、ニューヨークのケネディ国際空港など米国各地の空港で入国禁止と身柄の拘束が始まった。米メディアによると、ケネディ空港では2人のイラク人男性が拘束され、弁護士らは「拘束された人たちは有効な査証(ビザ)を持っている」としてニューヨークの連邦地裁判事に救済を申し立てた。
判事は28日夜、送還を認めない判断を示し、男性らは一時的に滞在が許可されることになった。
米CBSテレビなどによると、国土安保省高官は28日夜、大統領令への署名時に米国に向かっていた109人が到着後に入国を拒否され、173人は米国に向かう飛行機に搭乗する前に止められたと説明した。
ケネディ空港には、拘束者の解放を求めて約2000人超が集結し、抗議の声を上げた。このほかにも、東部ニュージャージー州や西部カリフォルニア州、ワシントン州などの空港でも抗議のデモ活動が行われた。
一方、トランプ氏は28日、「これはイスラム教徒の入国禁止ではない」と主張。「非常に順調に機能している」などと混乱を否定した。混乱の原因は準備や情報伝達などの不足とみられるが、政府高官は記者団に、「数週間にわたり、国務省や国土安全保障省の主要職員らと大統領令を巡って接触してきた。知るべき人たち全員は(事前に)知らされていた」と反論した。
ソース
<トランプ大統領>大統領令で米大混乱、280人入国拒否 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170129-00000060-mai-int