http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012600789&g=pol
日本政府は26日、環太平洋連携協定(TPP)離脱を表明したトランプ米政権との間で、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)など2国間の経済・通商交渉に応じることも視野に検討に入った。安倍晋三首相は訪米して来月10日にトランプ大統領の就任後初の首脳会談を行う方向で最終調整しており、米側の出方を見極めながら最終判断する。
首相は26日の衆院予算委員会で、「日米間でどのような経済連携の関係がいいかも見据えながら議論したい」と表明。TPP復帰への働き掛けと並行してEPAやFTAの2国間協議を行うことも「全くできないわけではない」との認識を示した。対米交渉に入った場合には「(国益として)守るべきものは当然守っていく」と述べた。
トランプ氏は「米国第一」主義に沿い、各国と個別に貿易交渉を行うことを通商政策の軸に据えている。日本側は、安全保障分野を含む日米の協力関係を維持するには、経済面の協議に一定程度応じる必要があると判断したもようだ。
ただ、日本は農業分野などの一方的な市場開放要求には応じられないとの立場だ。首相は予算委で「最終的にどんな貿易政策を考えているか、まだ明らかになっていない。次の首脳会談でよく話をしてみたい」と語り、トランプ政権の方針を探る考えを示した。
首相は首脳会談で、通商問題に加え、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発で厳しさを増すアジア太平洋地域の安全保障環境についても話し合い、同盟強化で一致したい考えだ。首相は予算委で、首脳会談に先立ち来月3、4両日に初来日するマティス国防長官と会談することを明らかにし、「米国のアジア太平洋戦略の要が日米同盟であることを理解していただきたい」と述べた。
首脳会談はワシントンのホワイトハウスで行われる。近く首相とトランプ氏が電話会談を行い、日程を正式決定する。麻生太郎副総理兼財務相が同行し、ペンス副大統領と個別に会談する方向だ。(2017/01/26-19:59)