ロヒンギャ族の村、軍が焼き討ちか ミャンマー
(CNN) ミャンマー西部のラカイン州で武装勢力の掃討作戦を展開している治安部隊が最近、イスラム教徒の少数民族ロヒンギャ族の村を次々に焼き払っているとして、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」が懸念を示した。
治安部隊の作戦は、10月に同州で国境警備隊員9人が殺害された事件をきかっけに始まった。治安部隊は襲撃犯の掃討を理由にロヒンギャ族の村を捜索。これまでに100人以上を殺害、約600人を逮捕したとされる。
HRWのフィル・ロバートソン氏によると、焼き払われた建物は東から西へ移っていることが、衛星画像から確認できる。同氏は「タイミングと場所の傾向から、住民が自ら火を付けたのではなく軍の作戦だということが分かる」「常識で考えれば軍の仕業だ」と主張した。HRWはこれまでに、複数の村が焼ける前後を比較した衛星画像を公開している。
CNNがミャンマー大統領府に取材したところ、「政府からは後日コメントする」との返答があった。政府はこれまでに国営メディアを通し、村の火災は軍でなく、襲撃犯による仕業との立場を示している。
しかしロバートソン氏は、軍は過去にも焦土作戦の手口を使い、同じように否定してきたと指摘。そのうえで「軍はこの作戦によって、襲撃犯を捜索するというより敵を増やしている」との見方を示した。
ロヒンギャ族に対する暴力をめぐっては、ミャンマー政権を主導するアウンサンスーチー氏の対応が不十分だと批判する声も上がっている。
スーチー氏の任命でこの問題に関する特別諮問委員会のトップを務めるコフィ・アナン前国連事務総長は、先週までに現地を訪問し、軍指導者らに民間人の保護を訴えた。
そーす http://www.cnn.co.jp/world/35093660.html