アングル:大阪の幼稚園で戦前教育、園児が「教育勅語」唱える
2016年 12月 15日 13:45 JST
[東京 8日 ロイター] - 大阪にある塚本幼稚園は一見すると、普通の幼稚園に見える。だが同園のカリキュラムは戦前の日本を思い起こさせる。
安倍昭恵首相夫人も訪問した塚本幼稚園幼児教育学園は、日本の伝統や文化に重点を置いたカリキュラムのなかで、3─5歳の幼児に愛国心を育むことを目的としている。
制服を着た園児たちは毎朝、日本国旗の前で国歌を歌い、1890年に発布された「教育勅語」を復唱する。教育勅語は第2次世界大戦後、米軍を含む連合国軍総司令部(GHQ)によって廃止された。多くの人が、日本の軍国主義をあおる一助となった、服従と道徳心の源であると教育勅語を捉えていた。
日本政府は1947年、戦後の平和憲法の自由主義的で民主主義的な価値を強化すべく、教育基本法を施行した。
塚本幼稚園は15年前から教育勅語を導入。ただし、園職員はナショナリズムを刺激する意図はないとしている。
「よく言われるナショナリズムと、私たちが教育のなかで進めようとしている、愛国主義や日本主義をもっと高らかに世界各国に広めていこうとすることは、全く違う」と、籠池泰典園長は話す。
籠池氏は、安倍政権と関係が近いナショナリストの民間団体「日本会議」の大阪支部長でもある。
http://jp.reuters.com/article/japan-kindergarten-prewar-idJPKBN1430IQ?sp=true
(字幕つき動画あり)