経済協力開発機構(OECD)は6日、72カ国・地域の15歳(日本は高校1年)約54万人を対象として2015年に実施した国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「科学的応用力」が前回12年の4位から2位に、「数学的応用力」が7位から5位に順位を上げた。一方、「読解力」は4位から8位に低下した。
OECD加盟35カ国の中では、科学的応用力(前回1位)と数学的応用力(同2位)は1位、読解力(同1位)が6位。文部科学省は「各分野で引き続き国際的に上位に位置している」と評価している。
日本の読解力は、平均得点も前回比22点減の516点に落ち込み、前々回の09年(全体で8位、520点)と同水準。今回は、調査方法が従来の筆記型からコンピューター使用型に全面移行したため、同省は「一部の問題で解答に戸惑った影響とみられ、実際の読解力が大きく低下したとは考えていない」としている。
科学的応用力は前回比9点減の538点、数学的応用力が4点減の532点で、いずれも統計的には横ばいだった。
今回の中心分野となった科学的応用力に関するアンケート調査では、日本の生徒が理科の学習について「将来役立つ」と感じている程度を示す指標は06年より伸びたが、「楽しさ」の指標は下がり、いずれもOECD平均を下回った。
3分野のトップはシンガポールが独占。読解力と数学的応用力の2位は香港だった。数学的応用力は7位までをアジア勢が占めた。09、12年は3分野とも中国の上海が1位だったが、今回は北京、江蘇省、広東省と一緒に1地域として参加し、順位を下げた。