世界史的には、ある程度の国力(国民の豊かさ・国民の余力)がないと民主主義に基づく市民革命的なものは成功しない
と考えられている側面が大きいんですね。日本には、日本人としては悲しいことですが、日本は貧しい為そういった国力はな
かった国であり、ゆえに貧しい国が近代化する時に辿りやすい道であるファシズムを大日本帝国として選択した。敗戦後、
日本国になり、経済的にある程度成功した後においても、これからも民主主義の発展はないだろうと(日本の民主主義的
発展はないだろうと)、国際史などを研究している海外の学者達からはみなされていますね…。実際に、現代の日本はここ
十数年でどんどん貧富の差が開き格差が開いていて、一部の支配層だけが富を所有し、被支配層は貧困化しているので
(それこそ、日本の格差と貧困状態は、財閥が幅を利かせていた大日本帝国時代にどんどん戻っていっている)、海外の学
者達の考察はいまのところ当を得ていると言わざるをえないでしょう…。
結局、権力者にとって一番権力を維持しやすい権力体制を一国のみでみた場合は、北朝鮮的な、支配層だけが大量の
富を持って、被支配層を貧困状態に置く=社会保障をカットして貧困によって被支配層が抵抗する余力を削ぐ体制が、
一番権力を維持しやすいんですね。徳川家康の有名な言葉『百姓共をば死なぬように生きぬようにと合点いたし収納申
し付くるように』です。ただ、こういった収奪体制は権力者に都合が良くても、その国家の国力自体はどんどん削いでいくの
で、世界史的には隣国に滅ぼされてしまい、国家として存続できないことが多い。日本は島国ゆえに他国からの脅威が薄
かった為、こういった体制に人々が馴致してしまったというところはあると思いますね…。
後は余談ですが、「日本スゴイ!」の極致たる映画の「シン・ゴジラ」も海外では不評で人気が全然ないですし、なんでも
かんでも日本を美化して肯定する「日本スゴイ!」的なものは、基本的に日本人にしか通じないということは、日本人とし
てもっと認識して然るべきことだと思いますね…。ちなみに戦前戦中の「日本スゴイ!」の流布は、大日本帝国の国威発
揚政策とそれに阿ったマスメディアの動きとしてあり、それは実態に全く則していないただのプロパガンダであったことも、もっと
知られた方がいいですね…。