(続き)
青少年への影響も深刻なものがあります。とりわけ、提案者がいうように、家族ぐるみででかけるところがIRというのなら、そこに公然と賭博場があることは、青少年に対し賭博への抵抗感を喪失させてしまうことになるのはあきらかです。
どこからみても、本法案には一点も賛成できるところはありません。
政府は、カジノを中核としたIRを「成長戦略」の目玉に位置付けていますが、賭博によるあぶく銭をあてにした経済政策を掲げるなど、あまりに不健全、経済政策の退廃だと断ぜざるをえません。
日本は、額に汗して、コツコツとはたらく、その勤勉な国民性に支えられて現在の経済水準を獲得してきました。ひとりひとりの日本人の努力によって築き上げられてきた、世界に誇る景観、文化遺産、社会の安全、ここにこそ、日本の観光の未来があります。
「健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風」を害し、「怠惰浪費の弊風」を生じさせる、本法案は決して成立させてはなりません。
以上述べて反対理由といたします。なお、修正案は、本法案の中身を変えるものではなく、反対します。
最後に、こうした重大な法案を、わずかな審議時間で、政府への質疑もなく、国民の声も聴くことなく、強行する、委員長及び与党・維新の責任を厳しく指摘して、反対討論を終わります。
(終わり)