日本共産党の反対討論全文
これほど、日本の社会と経済のありようをゆがめる法案を、ほとんどしんぎもしないまま採決することに、断固、抗議します。
私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました「カジノ解禁法案」に反対の討論を行います。
本法案は、「特定複合観光施設の整備」をうたっていますが、その本質は、日本でこれまで許されてこなかった民間賭博=カジノを解禁しようというものです。
刑法は、刑罰をもって賭博を厳しく禁じています。「国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風を害」し、「国民経済の機能に重大な障害を与える恐れ」(昭和25・11・22、最高裁大法廷判決)があるからです。これをくつがえす、カジノ解禁は断じて許されない暴挙だと言わなければなりません。
カジノ解禁はなにをもたらすか。暴力団関係者の関与、マネーロンダリング、周辺地域の治安の悪化、ギャンブル依存症の多発、青少年への悪影響など、まさに社会悪そのものです。提案者も、これらのリスクの発生を否定することはできませんでした。様々な対策を講じると述べましたが、そのためには莫大な社会的費用を必要とします。カジノ事業者の儲けのために、社会悪を発生させ、そのために莫大な公費を使う、これほどばかばかしい法案をわたしは他に知りません。
(続く)