今回の米大統領選では、ネットで大量につくられた「偽ニュース」やデマが選挙結果を歪めたのではないかと議論され、その拡散に大きな役割を果たしたフェイスブックやグーグルに批判の矛先が向いている。
ローマ法王がドナルド・トランプ支持を表明したとか、ヒラリー・クリントンはISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に武器を売っていたとか、そういった事実に基づかない"ニュース"がトランプの当選を実現させた――というわけだ。
【参考記事】ネットで飛び交う偽ニュースがトランプを大統領にしたのか?
これは決してアメリカだけの問題ではない。ロイターなどの報道によれば、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は21日、議会での演説で、偽ニュースやボット(自動操作プログラム)、ネット荒らしへの対処法について議論を呼び掛けた。「この現象に対処しなくてはならない。場合によっては規制が必要だ」
ドイツでは2017年9月に連邦議会選挙が予定されているが、ここ最近は反移民・難民を掲げる新興右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が地方選で躍進。今年9月には、首都ベルリンやメルケルの地元州でも、メルケル率いる与党・キリスト教民主同盟(CDU)が大敗し、AfDが票を伸ばしている。最大の理由は、ヨーロッパを揺るがす難民受け入れの問題だ。
偽ニュース問題、米大統領選は始まりに過ぎない?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/11/post-6451.php