公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が25日発表した2016年7~9月期の運用実績は、2兆3746億円の黒字になった。黒字は3四半期ぶり。6月の英国の欧州連合(EU)離脱問題などによる混乱が終息し、国内外の株式相場が回復した。4~6月期は14年10月に資産構成に占める株式の比率を2倍に増やして以降の累積で1兆962億円の赤字となったが、7~9月期は再び黒字転換した格好だ。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の看板=東京・虎ノ門
9月末時点の運用資産は132兆751億円で、7~9月期の運用利回りはプラス1.84%だった。運用資産は6月末(129兆7012億円)より増加したものの、3月末(134兆7475億円)には届かなかった。
収益(市場運用分)の押し上げ要因になったのは株式だ。国内株が2兆234億円、外国株も1兆455億円の黒字だった。債券では赤字を計上したものの補った。
国内債は長期金利の上昇(債券価格の下落)が響き6671億円の損失が出た。外国債も円高進行や米国の金利上昇が重荷になり、398億円のマイナスになった。
9月末の資産構成は国内株が21.59%、外国株は21.00%だった。国内債は36.15%、外国債が12.51%、短期資産は8.75%になった。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFL22HIB_V21C16A1000000/