勝利宣言から2週間。トランプ氏が、自らの体制固めで新たな融和策を打ち出す一方、その「トランプ外交」と向き合う日本の安倍首相。次々と難題が浮上している。
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そのトランプ氏の外交デビューの相手となった安倍首相は、7日間の外遊を終え、23日午後に帰国した。
注目のトランプ氏との会談では、「わたしは、トランプ次期大統領は、まさに信頼できる指導者であると確信をいたしました」と、世界に向けてトランプ氏を絶賛。
しかし、日本時間の22日、アルゼンチンで行った記者会見で、焦点のTPP(環太平洋経済連携協定)について、安倍首相は、「TPPは、米国抜きでは意味がない。根本的な利益のバランスが崩れてしまいます」と述べ、アメリカ抜きでは意味がないと発言。
ところが、そのわずか1時間後に、トランプ氏は、「わたしは(就任初日に)アメリカにとって潜在的な災いとなるTPPからの脱退を通告する」とのビデオメッセージを発表することに。
2017年1月20日の就任初日に、TPP脱退を伝えるというもので、まさに、安倍首相にとって、はしごを外される形となった。
はしごを外されるといえば、安倍首相は、ペルーの首都リマで行ったロシアのプーチン大統領との首脳会談では、プーチン大統領を「君」と呼んで、親しさをにじませた。
しかし、会談後、安倍首相は「そう簡単な課題ではない。1歩1歩山を越えていく必要がある」などと話し、北方領土をめぐる交渉が簡単ではないとの認識を示した。
さらに、ロシアメディアは22日、北方領土、択捉島と国後島に新型の地対艦ミサイルが配備されたと報道。
12月の日ロ首脳会談を前に、実効支配の強化を見せつけた格好となる。
この問題について、岸田外相は、「(北方領土にミサイル配備報道)今後とも注視していきたい。こうした問題を解決するためにも、北方領土問題、これをしっかり解決していかなければならない」と述べた。
また、22日午後、沖縄県の尖閣諸島周辺を、ロシアの哨戒ヘリコプターが飛行。
領空侵犯はなかったが、自衛隊機が、緊急発進する事態となった。
友好とはほど遠い動きが相次ぎ、まさに黄色信号がともっている安倍外交。
民進党の蓮舫代表は、「何をしに行ったのか、いよいよ、わからなくなった。日本国民の1人として、政党の代表としても失望しています」と述べた。
12月15日に、地元・山口県でプーチン大統領と行う会談では、具体的な成果を出せるかどうかが焦点となる。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00342617.html