【マグデブルク(ドイツ)】ドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領になることが決まった翌日、ドイツ東部のマグデブルクでは、反移民を掲げる新興政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持者数百人が集まり、新たな現実を祝福した。
同党の州支部を率いるアンドレ・ポーゲンブルク氏は壇上で、「トランプ氏よくやった!」と叫び、「メルケルは去れ」と訴えた。集まった人たちも、「メルケルは去れ」と繰り返した。
6月に英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたのに続き、トランプ氏の当選によって、今年は欧米でポピュリストが2回の逆転勝ちを収める格好となった。そうしたなか、欧州の先頭で国際化の旗振り役を務めてきたドイツのアンゲラ・メルケル首相は、これまで以上に窮地に立たされている。
欧州大陸では、ポピュリストの波はオーストリアに達している。12月の大統領選を控えた世論調査では、反移民政策を掲げる候補が優勢となっている。またイタリアでは憲法改正の是非を問う国民投票が行われるが、これに進退を賭ける中道左派のマッテオ・レンツィ首相が負ける可能性がある。来年のフランス大統領選については、極右政党の国民戦線(FN)を率いるマリーヌ・ル・ペン党首が制するかもしれないとメルケル氏の側近らはみている。ドイツ国内では、メルケル氏の難民危機対応への不満がくすぶっており、来秋の総選挙で同首相のキリスト教民主党(CDU)が大きく議席を失う可能性がある。
メルケル氏は17日、ベルリンでバラク・オバマ米大統領と会談した。終了後の記者会見では、グローバル化への懸念がポピュリズムを引き起こし、それがトランプ氏の勝利につながったと指摘。そうした懸念に対応すると言明した。
いかそ
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