アベノミクス「ほぼ頓挫」で一致
http://news.infoseek.co.jp/topics/president_20531
主要なプレーヤーだった外国人投資家が撤退したことで、日本の株式市場で活発に売買できる投資主体は少なくなっている。国内投資家の中で唯一、大きな存在感を示してきたのは、公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)であった。
GPIFは安倍政権における公的年金の運用改革という旗印のもと、安全資産である国債から、一気に株式中心のリスク運用へとシフトした。13年度に約20兆円だったGPIFの日本株保有残高はすでに30兆円を超えている。GPIFにおける株式の買い入れ余力はほぼなくなりつつあり、今後、大型の買いは期待できない状況にある。
だが、GPIFは公的年金というファンドの性質上、安易に株式を売却するわけにもいかない。多少株価が下落しても、当分の間、株式を保有し続ける可能性が高いだろう。
結局のところ、日本の株式市場には積極的な売り手も買い手もいないという状況が続くことになる。
相場格言のひとつに「閑散相場に売りなし」というものがある。大きく上昇する見込みがない環境でも、売買が少ない状態であれば、あまり株価は下がらないという意味である。今の日本はまさにその状況にあるといってよい。
もし米国が比較的早い段階で追加利上げに踏み切れば、日本株にとっては多少の追い風となる。ただ、米国はあまりドル高を望んでいないので、以前のような水準まで円安が進む可能性は低いかもしれない。
円安が進まず、日本企業の業績低迷が長期化するようなら、日本株への売り圧力も徐々に強まってくるだろう。