EU: IPアドレスも個人情報とする新判断・承諾なしでのアクセスログの保管は違法に
by Eugene Anderson, BusinessNewsline
ドイツ海賊党の議員がドイツ連邦政府のウエブサーバーが利用者の承諾を得ないまま、IPアドレスをアクセスログとして記録し保管しているのは、EUの個人情報保護法違反だとして提訴していた裁判に関連してEU司法裁判所（Court of Justice of the European Union）が原告の主張を認め、IPアドレスは個人情報だとする判断を下したことが18日、オーストリア大手紙「Der Standard」の報道で明らかとなった。
裁判では、ドイツ司法省は、IPアドレスの記録はサイバー攻撃などに対処するために不可欠とする主張を行ってきたが、認められなかった。
今回、EU司法裁判所がIPアドレスも個人情報とする判断を示したことにより、今後、EU域内でウエブサイトの運営を行っている事業者は全て、アクセスログにユーザーのIPアドレスを記録することを事前にユーザーに対して了解を取ることを求められることとなる。
ただし、一般にアクセスログは、全ての利用者のアクセスをリアルタイムで記録していくのが普通の運用方法となっており、許諾を得るまでIPアドレスの記録ができないとなった場合、通常のアクセスログの運用はできないことなり、ウエブサイトの運営者は、アクセスログはまったく記録しないか、あるいは、承諾を行ったユーザーに関してのみログの記録を行うことができるようにアプリケーションロジックを組むなどの対処を求められることとなる。
ソース：
http://business.newsln.jp/news/201610201826390000.html