防犯カメラも周囲への事情聴取もせず…育毛剤窃盗で誤認逮捕 県に賠償命令 「捜査不十分」と岡山地裁
2016.9.22 08:30 産経新聞
窃盗容疑で県警に誤認逮捕された津山市の７０代の男性が不当な拘束で精神的苦痛を受けたなどとして、国と県に計約２７５万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は２１日、県に約５５万円の支払いを命じた。国への請求は退けた。
曳野久男裁判長は判決理由で、県警が犯行現場とされたスーパーの防犯カメラの映像を確認しなかった点や、全面否認にもかかわらず周辺への事情聴取など当時の裏付けをしなかったことに触れ、「警察官の対応として著しく不適当で不十分」と指摘。過失による違法な逮捕と判断した。
一方、国の責任は逮捕状を出した裁判官が「不当な目的を持っていた事情はない」として否定した。
判決によると、男性は平成２５年６月、鏡野町のスーパーで育毛剤を盗んだとして窃盗容疑で逮捕された。男性の妻の証言でアリバイが証明されたが、釈放まで約１０時間半拘束された。
http://www.sankei.com/west/news/160922/wst1609220013-n1.html