ロンドンで刃物犯罪が増加 ナイフ持ち歩く若者増える。
ロンドンで凶悪事件を恐れてナイフを持ち歩く若者が増えており、そのため刺傷・刺殺事件が急増しているという。ロンドン議会の警察犯罪委員会が報告書を発表した。
刃物を使った暴力事件はロンドンで2014年6月以降、ほぼ右肩上がりに増えており、今年8月には過去4年で最多を記録したという。
25歳未満の若者による刃物を使った事件は、2012年6月には1719件だったが、2016年8月には1749件だった。
報告書によると、ロンドンで刃物を使った事件のうち、ギャングによるものは5%未満だという。
報告をまとめたロンドン議会警察犯罪委員会のスティーブ・オコネル委員長(保守党)は、「ギャング暴力にばかり注目してしまうと、ナイフ犯罪の状況に何の効果もないのだが、そのことに気づいている人は少ない。それだけにこの調査結果は重要だ」と話す。
英国全土でも、イングランドとウェールズでは昨年、4年間で初めてナイフによる暴力事件が増えた。
PCC報告書によると、若者がナイフを携行するようになる最大の理由は、「自分を守らなくてはならないと感じているから」とみられる。自分の地域で刺傷・刺殺事件があったと認識することでさらに、この恐怖が強くなることもある。
「重大事件の発生後は、警察などの関係機関が連携して、若者たちに安全だと安心させる必要がある」と報告書は促している。
ロンドン市警によると、青少年による刃物犯罪はほとんどの場合、家庭で普通に手に入るナイフが凶器となっている。往来で刃物を持ち歩く若者を減らすには、事前情報をもとにした職務質問と身体検査が不可欠だという。
7月には、サディク・カーン市長がナイフ犯罪対策に40万ポンド(約5200万ポンド)を充てると発表。市長報道官は、今回の報告内容を市長は慎重に検討すると述べた。来月には刃物犯罪サミットを開く予定という。
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