運動した後の一部の運動着は、どうしてほかよりも特に臭いのか? 世界中の洗濯物かご、ジム用バッグ、更衣室に共通する謎だ。
何を運動着にするかは、人それぞれだろう。10年以上着古したTシャツ、昨シーズン着ていたサッカーユニフォーム、あるいはエクササイズ専用に開発された、機能性をうたうスポーツ用品ブランドだろうか。
しかし正直なところ、ジム用バッグの中には、特にほかより臭う物がある。それは誰もが認めるところだろう。なぜそうなのか、思うこともあるのでは?
BBCの医療情報番組「信用して、私は医者だから」の司会者ゲイブリエル・ウェストンは、このくさーい疑問に科学が答えられないものか、最新の研究結果を調べ、実験でも試してみた。
布地の種類ごとの臭いやすさの比較調査は、実際に行われている。カナダのアルバータ大学とベルギーのゲント大学による別々の調査では、高度な訓練を受けた専門家がさまざまな布地の臭いを嗅いだ。その結果、両方の調査で、ポリエステルの方が天然素材の綿やウールよりも臭いが強くなるという結論になった。
しかし興味深いことに、臭い方が違う原因は汗だけではない。汗そのものは臭わないからだ。臭いは、私たちの皮膚に自然に存在する菌が、脇の下や股の間などから出る油分の多い汗を食べる過程で生まれる。とすると、合成繊維にからみつく、ほかよりも強烈な臭いは何のせいなのか。
既存の布地研究に触発されて、綿とポリエステルの服が私たちの皮膚の菌と、そこから生じる臭いにどう影響するのか実験してみた。ボランティアの人たちが激しく運動するフィットネスバイクのクラスに2回参加し、それぞれ100%綿のシャツと100%ポリエステルのシャツを着た。家族や友人、同僚には気の毒だが、運動前の制汗剤は使わないでおいてもらった。クラスが終わった後に、脇の下を綿棒で拭き取り、Tシャツを回収して分析した。
マンチェスター大学のアンドリュー・マクべイン教授とギャビン・ハンフリース博士がサンプルを分析したところ、被験者の脇の下には多くて300の菌が存在していた。最も多い菌は、通常の体臭の原因となるブドウ球菌と、より不快な臭いを出すコリネバクテリウムだった。
面白いけれども意外ではないかもしれない発見もあった。女性の脇の下ではブドウ球菌の方が優勢傾向だったの対し、男性は臭いの強い方のコリネバクテリウムが多かったのだ。
以下ソース
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-37254379