「雪はふる」と「雪がふる」の違いを、非日本語国民に明確に説明するのは難しい。
「うーんとね、『雪はふる』と言う場合、雪は雪として勝手に降っていて、自分のメインの関心というのはそこにはないわけ、あなたが来ないことの方が問題なわけ。並列的な事象の一つを述べているだけなのね。
その点、『雪が降る』方はまさしく、雪そのものに関心が集中しているのね。もしそれに『あなたは来ない』と続くなら、それは『雪のためにあなたが来られない』というニュアンスになるかな。
主題として絞られるわけ」てな説明でなかなかうまく言えたぞ、と思っていると、「じゃあほかならぬラーメンを食べたいときは、食堂で『私がラーメン!』と言うのが正しいのか?」などと問い返されると、いやそれはちょっと違って、などと口ごもり、
結局「言葉は理屈ではない」という話になる。それにまで「限定的に言うのだから『言葉が理屈ではない』と言った方がいいのでは?」などと逆襲されて進退窮まる。