NASAのゴダード宇宙飛行センター(GSFC)が一部資金を提供している、数学者や自然・社会科学者を中心とした学際的な研究チームが文明滅亡の問いに迫った。滅亡した30もの文明の滅亡原因を分析・分類し、研究成果をまとめた論文『Human and Nature Dynamics』によると、残念ながら我々の文明は今後数十年で終焉を迎える可能性が高いようだ。
『Human and Nature Dynamics』で取り上げられている文明の中でも古代マヤは、驚くほど高度な技術の存在が確認されていて、宇宙人の関与が疑われている程である。古代マヤ人は、ヨーロッパなどの旧世界と接触する以前のアメリカ大陸では唯一文字を使用していた人々で、彼らは複雑な暦や数学を発達させ、巨大な神殿ピラミッドが林立する都市を築いていた。
さて、『Human and Nature Dynamics』によると、古代マヤ文明をはじめ、ローマ帝国、漢、マウリヤ朝、グプタ朝、メソポタミア文明などの存在は、先進的で洗練され、複雑で創造的な文明がいかにもろく、永久でないかという事実を示す証拠であるそうだ。そして、人口、気象、農業、資源といった諸要因が絡み合い、ある2つの社会的な特徴を示した時、これらの文明は崩壊してしまった。それが「使い過ぎによる資源の枯渇」と「社会の階層化(貧富の差の拡大)」だ。過去5千年にわたって、この2つの社会現象が全ての文明崩壊で主たる役割を演じてきた。