北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル発射か 日本海に落下と推定
8月24日 10時10分
防衛省は、北朝鮮が24日午前5時29分ごろ、北朝鮮東岸から1発の弾道ミサイルを発射し、およそ500キロ飛しょうして日本海に落下したと推定され、発射された弾道ミサイルは、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと考えられると発表しました。
防衛省によりますと、北朝鮮は24日午前5時29分ごろ、北朝鮮東岸のシンポ(新浦)付近から、1発の弾道ミサイルを東北東に発射したもようで、弾道ミサイルは、およそ500キロ飛しょうし、日本海に落下したものと推定されるということです。
防衛省は、現在、詳細を分析していますが、これまでの北朝鮮の弾道ミサイルの開発の動向や、発射地点がSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを搭載する潜水艦の配備基地付近であることなど、情報を総合的に勘案すると、発射された弾道ミサイルは、潜水艦発射弾道ミサイルと考えられるということです。
これを受けて、稲田防衛大臣は引き続き、情報収集と警戒監視に万全を期すよう指示し、防衛省では関係幹部会議を開催するなど対応に万全を期すとともに、情報の収集と分析、警戒監視に全力を挙げることにしています。
防衛省は、今回、潜水艦発射弾道ミサイルがおよそ500キロ飛しょうし、日本の防空識別圏に落下したとみられることから、北朝鮮のミサイル開発の技術が進展しているとして、詳しい分析を急ぐことにしています。
米国防総省もミサイル発射を確認
アメリカ戦略軍は日本時間の24日午前5時29分ごろ、北朝鮮が、SLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射したと発表しました。
それによりますとミサイルは北朝鮮が開発している潜水艦発射弾道ミサイルKN11とみられ、シンポ付近の沖合から発射され、500キロ近く飛行して日本海に落下したとしています。
アメリカ軍は弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮の動向に警戒と監視を強めており、発射や飛行の状況をさらに詳しく分析しています。
これについてアメリカ国務省は「国連安全保障理事会の決議違反であり、強く非難する。このような挑発的な行動の責任を取らせるため、国連の場で問題を提起したい」というコメントを出しました。
北朝鮮 弾道ミサイル開発加速か
北朝鮮はSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルについて、去年5月に発射実験を行い、北朝鮮の国営メディアは開発を進めていることを明らかにしました。
この時の飛しょう距離は100メートル程度だったとみられています。去年11月にも発射実験を行いましたが、失敗したとみられています。
北朝鮮はことしに入ってからも相次いで発射実験を行っていて、4月にはおよそ30キロ、先月には数キロ飛んだとみられています。
一方、今回はミサイルがおよそ500キロ飛しょうし、日本海に落下したと推定されていて、これまでの飛しょう距離を大幅に上回っています。
また、ことし6月には北朝鮮が新型の中距離弾道ミサイル、「ムスダン」とみられる2発を発射していて、北朝鮮は弾道ミサイルの開発を加速しているとみられています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160824/k10010651991000.html