イランで拘束されていたアメリカ人記者などが解放された時期に、アメリカ政府がイラン側に現金4億ドルを支払っていた問題をめぐり、アメリカ国務省は、解放を確認してから、現金を支払ったことを認め、大統領選挙の共和党のトランプ候補は、「身代金だ」などと批判を強めています。
この問題は、ことし1月、イランがスパイ容疑で拘束していたワシントン・ポスト紙の前テヘラン支局長らアメリカ人5人を解放したのと同じ時期に、アメリカ政府が、4億ドル、およそ400億円の現金をイラン側に支払っていたことが明らかになったものです。
これについて、 アメリカ政府は、支払ったのは1979年のイスラム革命前にイランと交わした 武器売却の契約に関わる資金だとして、アメリカ人の解放とは関係ないと説明していました。
しかし、アメリカ国務省のカービー報道官は18日の記者会見で、「アメリカ人の解放を確認するまでは、イラン側に現金を渡さなかった」と述べ、アメリカ人を確実に解放させるため現金の支払いを利用したことを認めました。
カービー報道官は、これは身代金ではないと改めて強調しましたが、大統領選挙の野党・共和党のトランプ候補は18日の演説で、「オバマ大統領はうそをついた。身代金を支払っていたのだ」と批判しており、トランプ氏や共和党はこの問題をめぐっても、民主党側への攻撃を一段と強めるものとみられます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160819/k10010642521000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_006