広島への原爆投下から71年目を明後日に迎えるが、そうしたなかで、きょう放送されたNHK『あさイチ』が話題を集めている。
というのも、放送中には画面右上に大きく「戦争はイヤだ」というテロップが躍り、憲法9条の改正が議論にあがるなかで現代の戦争を考えよう、という特集だったからだ。
たとえば、司会のイノッチこと井ノ原快彦は、「きょうは何を話すべきかってことなんですよね、ぼくらが」と力強く語り、現在の日本のなかで感じる危機感をこのように口にした。
「いつ(戦争は)起きてもおかしくないっていうのを、もうちょっとリアルに想像できるかなって」
「たとえば日本でひとつの流行が起こったときに、誰が止められるかっていえば、誰も止められないじゃないですか」
「(大きい流れに)なっちゃったら誰にも止められない、治まるのを待つしかない」
先の戦争がそうだったように、戦争への熱狂が扇動されれば、終わるまでは誰にも止められなくなってしまう。しかも、いまの日本では「積極的平和主義」という言葉のもとに武力攻撃を正当化している。そんななかで井ノ原は、戦争はすぐ身近なところにあり、大きな流れに乗ってしまうことの恐ろしさを訴えたのだ。
有働は「叩かれてもね」と返答し、井ノ原も「叩かれてもいい」と胸を張った。
叩かれたとしても、大きな流れに与することなく言いたいことは言う。──こうした番組出演陣とスタッフの覚悟があるからこそ、『あさイチ』は弱腰のNHKにあって、弱者切り捨ての貧困や、他の情報番組では少しもクローズアップされない沖縄、戦争などの問題にも踏み込んでこられたのだろう。
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