無賃乗車 部員巻き込む 富山高専顧問、注意のみ
富山高等専門学校射水キャンパス(富山県射水市)のカッター部の男性顧問(52)=商船学科教授=が五月、神戸市であったカッターレース大会の帰りに
利用した鉄道の一部区間を無賃乗車していたことが、学校などへの取材で分かった。引率した部員三人にも無賃乗車させていた。
罪悪感を抱いた部員が別の教員に相談して発覚。
顧問は不正を認め、四人が無賃乗車した分の運賃計四千六百円を鉄道会社に支払った。
校長が口頭で注意したが、学校は深刻な問題ではないとして懲戒処分は検討していない。
大会から帰る際、顧問がJR元町駅(神戸市)で四人分の入場券を買って四人がホームに入り、新大阪まで無賃乗車。
新大阪から金沢まで事前に購入した切符で特急を利用したが、部員二人が夜に無人になるあいの風とやま鉄道の小杉駅(射水市)で降りた際、
顧問は運賃を渡さず無賃乗車のまま帰宅させた。
もう一人の部員と顧問はそれぞれ駅員のいる高岡、富山で降り、金沢からの運賃を精算した。新大阪と金沢駅は改札を通らずに乗り継ぎができる。
大会は五月八日にあり、部員三人はOB・OGチームに参加。旅費はOBらが負担し、受け取った顧問が四人分を預かっていた。行きは夜行バスを使った。
石原外美校長が顧問に無賃乗車分の支払いを指示し、顧問は部員三人を連れて小杉駅でJR分を含めて支払い謝罪した。
顧問は学校の聞き取りなどに「元町では急いでおり、入場券で入った」と説明した。
石原校長は取材に「意図的でなく、二度としないように注意した」と話し、男性顧問は「終わったこと」と語るにとどまった。
同校は独立行政法人国立高等専門学校機構が運営。
文部科学省は「話は聞いていないが、事実確認と処分が適正だったのか確認するよう機構に連絡したい」(専門教育課の担当者)と話している。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2016080302100012.html