スマートフォン（スマホ）端末の販売方法をめぐり、公正取引委員会は２日、独占禁止法に違反する恐れがある事例を指針にまとめ、公表した。携帯電話大手が端末代を毎月の分割払いとし支払総額を固定することや、端末メーカーが中古スマホを国内で再販売させないよう制限することなどがあたる。公取委は今後、 携帯電話大手や端末メーカーなどに内容を周知し、事例にあたる販売方法の是正を求める。
消費者がＮＴＴドコモ、ＫＤＤＩ （ａｕ）、ソフトバンクのスマホを購入する場合、ほとんどが分割払い契約を結ぶ。その際、携帯大手が端末代金を分割払いにする代わりに機種ごとに支払総額を固定していることが多い。指針はこうした販売方法について、販売店に値引きさせない仕組みで自由な価格設定を妨げてい るとして独禁法違反の可能性を指 摘。スマホを契約した携帯会社以外の回線を使えないようにする「ＳＩＭロック」の解除に応じないケースも、同法に触れる可能性があるとした。
さらに、一定期間の契約を条件に毎月の通信料金から端末代金を大幅に割り引いて実質無償にする一方、途中で解約した場合には高額な違約金を課す「２年縛り」と呼ばれる契約や、端末メーカーが携帯大手に対して中古端末を国内で流通させないよう制限する行為も問題視。新規参入を阻むことにつながり、場合によって独禁法違反の恐れがあると指摘した。
今後、是正されない場合について公取委の山田昭典経済取引局長は 「調査のうえ厳正に対処したい」と述べた。
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