台湾の立法院(国会)は25日、野党・国民党が戦後、日本から接収した不動産などで築いた資産の返還を求める特別法を可決した。国民党は審議の引き延ばしで抵抗したが、与党・民進党などの賛成多数で成立した。党勢が低迷する国民党にとって大きな打撃となりそうだ。
戦後、中国大陸から台湾に渡ってきた国民党政権は日本統治時代の企業や不動産を接収。政府だけでなく、党自体も「台湾放送協会」や映画館を接収したほか、政府から無償や格安で土地などを譲り受けた。一党独裁体制の下、これらの資産を元手に、ビジネス活動や投資事業で巨額の資産を築いた。
国民党によると、2015年末時点の資産は166億台湾ドル(約548億円)。ピーク時(1998年)の918億台湾ドルからは大幅に減少しているが、過去に関連団体に移された資産もあり、全容は把握できない状況だ。
特別法は党費、政党補助金、政治献金を除き、日本敗戦の1945年8月15日以降に取得した党資産を精査し、「不当財産」と判断した場合は返還を求めるとしている。
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