[東京 12日 ロイター] -
安倍晋三首相は12日、1億総活躍プランの加速化やリニア中央新幹線の計画前倒しなどを盛り込んだ総合的な経済対策を7月中にまとめるよう、
石原伸晃経済再生担当相に指示した。
財源として低金利環境を活用した財政投融資を示すとともに、2020年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化目標は堅持すると表明した。
首相は、現在の国内景気について、個人消費や民間投資が力強さを欠いた状況にあると指摘。
加えて、新興国経済の減速や英国の欧州連合(EU)からの離脱決定なども背景に「世界経済の需要低迷、成長の減速リスクが懸念される」との認識を示した。
そのうえで、アベノミクスは雇用・所得環境の改善など「確実に成果が生まれている」としながらも、「道半ば」と指摘。
デフレ脱却に向けた「脱出速度を最大限にあげる」ため、「未来への投資の加速を目的とする総合的かつ大胆な経済対策を講じなければならない」と表明した。
具体的には、1)アノミクスの成果の活用も含めた来年度以降の1億総活躍プランの加速化、
2)観光振興や農産物輸出促進、農業競争力強化に向けたインフラ整備とリニア中央新幹線の計画前倒し、
3)中小企業・小規模事業者や海外展開企業の資金繰り支援、
4)熊本地震や東日本大震災からの復興・防災対応の強化の加速━━の4点を指示した。
http://jp.reuters.com/article/abe-idJPKCN0ZS0P5