群馬大病院(前橋市)は8日、50代男性の頸椎(けいつい)を金具で固定する手術をした際、過って脊髄(せきずい)を圧迫し、右手足のまひなどが残ったと発表した。また、同病院では腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術などで患者が死亡する事故が相次いだため、改善策として術前説明の徹底やカルテの詳細な書き方を決めていたが、この男性の手術については守られていなかったという。
病院によると、男性は首の骨が変形するなどして神経が圧迫され、歩行困難や手の筋力低下などの症状があった。昨年11月の手術の際、担当医師が一部の金具の差し込む位置を間違え、脊髄を圧迫。現在も人工呼吸器が必要な状態で、回復するかどうかの判断は1年ほど経過をみる必要があるという。
院内の事故調査委員会が調査した結果、まひなどの症状は手術による神経障害によるものとされた。田村遵一病院長は「患者や家族に深くおわびし、全力で治療を尽くしていく」と謝罪した。
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