受益超過の高齢者と負担超過の若者の世代間格差は1億2000万円。そんな世代会計の試算に衝撃が広がっている。この数字は、法政大学経済学部の小黒一正教授(公共経済学)が発表したものだ。
7月10日に投開票される参院議員選挙では、18歳以上が国政選挙では初めて投票できるようになる。若者世代の参加は社会にどんな変革をもたらすのだろうか。その一つの可能性は、少子高齢化の進行で有権者に占める高齢者の割合が増し、高齢者層の政治への影響力が増大する「シルバー民主主義」現象が改善することだ。ハフポスト日本版の取材に対し、小黒教授は「こういう状況を許容できるのか」と問題を投げかけた。
――世代間格差の問題とはどのようなものですか。
ごく簡単に言うと、世代会計で試算されるもので、60歳以上の世代と将来世代(生まれていない人を含む0?19歳)の負担の格差です。
世代会計とは、各世代一人当たりが年金や医療・介護など公共サービスとして政府から得る「受益」と、税金や保険料など政府に支払う「負担」との差額が、各々の世代ごとにどうなっているかを明らかにするものです。消費増税をいつ行うかによって若干試算結果が変わりますが、60歳以上の世代は負担したよりもおよそ4000万円多い受益を得ることができ、将来世代は支払い負担の方がおよそ8000万円多くなります。この差が1億2000万円になります。
――かなりの差があるのですね。
サラリーマンの生涯賃金がおよそ2億円といわれていますから、この半分以上の差がある。これは通常考えられない格差です。こういう状況を本当に許容できるのか?という問題があると思います。このような状況について、世代会計の第一人者のボストン大のコトリコフ教授は「財政的幼児虐待」という言葉で問題を指摘しています。
以下ソース
http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/06/generational-accounting_n_10848950.html