「チリ産養殖サーモン」についてネット上で大論争が巻き起こっている。チリの養殖サーモンは“薬漬”の危険な魚で、海洋汚染も招いているという。そこで識者を直撃、現地からの声も交えて徹底検証した!!
抗生物質の平均使用量はノルウェーの500倍以上!?
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スーパー店頭に並ぶチリ産養殖サーモン。国産養殖や天然モノに比べて安く、人気がある
チリは世界第2位のサーモン輸出大国で、日本はその一大消費地だ。スーパーにはチリ産の養殖サーモンが並んでいる。
その生産現場である養殖場が数多く存在する、チリ南部アイセン州に住むピーター・ハートマン氏はこう語る。
「私は養殖サーモンを食べません。抗生物質、殺虫剤、防汚剤など、“薬漬け”の実態を目の当たりにしているからです。この付近の住民には養殖場で働いている者も多く、皆それを知っています」
アイセン州北部(パタゴニア地方)は、チリの首都サンチャゴから1500km。アイセン州北部やその隣のチロエ島では、サーモンの養殖場が爆発的に拡大している。
チリのサーモン養殖に使われる抗生物質の量は、世界的に見ても特に多い。サーモン1tあたりの平均使用量を比較すると、世界1位のサーモン輸出国であるノルウェーの500倍以上で700.80g(グラフ参照)。
⇒【グラフ】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1145348
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※「シーフードウオッチ」資料より
海洋保全団体「オセアナ」のチリ支部は、これまでチリの水産局とサーモン養殖会社37社を相手取り、抗生物質の使用量の公開を求めて訴訟を起こしていた。これに勝訴し、裁判所は6月13日に水産局と業者らに情報公開を命じた。オセアナ・チリ支部事務局長のヴァン・デル・メール氏は、業者が抗生物質の使用量を隠していた理由について、こう話す。
「業者によっては、病気のコントロールのために他社の10倍もの抗生物質を使っているところがある。これが国際的に公になると、消費国の輸入基準に合わないことが明らかになると考えたためでしょう」
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