東京・大阪間なら1時間未満でつなげる超高速移動体「Hyperloop」の建設費用の詳細が公開される
イーロン・マスクが提唱した超高速移動体「Hyperloop(ハイパーループ)」は、時速1000キロメートルオーバーの超高輸送が可能で、飛行機をも凌駕する早さで長距離移動ができると期待されています。しかし、実現に向けてかかる費用や経済的メリットについて明らかでなく、実現の可能性に懐疑的な目もそそがれていました。そんな中、Hyperloopを開発するスタートアップHyperloop Oneが、なんとスウェーデン・ストックホルムとフィンランド・ヘルシンキを30分以内で結ぶ「FS Linksプロジェクト」について詳細を明らかにしました。
なお、Hyperloop OneはいくつかあるHyperloopプロジェクトの中でも、すでに砂漠での試験走行に成功するなどの実績があり、2016年中に時速600マイル(時速960キロメートル)という高速でのチューブ内走行試験をする予定を明らかにしています。
《中略》
FS Linksプロジェクトの総費用は190億ユーロ(約2兆1200億円)。この費用は高速鉄道建設費用の50%から60%と低廉だそうです。
Hyperloop Oneによると、FS Linksが完成すると各地に設置される駅周辺の地価上昇や人的移動の便向上に伴う生産性アップなどの経済的利益によって約2兆円の総コストはほぼ相殺されるとのこと。また、ストックホルム-ヘルシンキが30分未満でつながることで、2都市間を移動する労働人口が増えたり荷物の到着が早まったりするメリットから、10年後にはFS Linksは黒字化できると見積もっています。なお、FS Linksプロジェクトの建設が始まれば、約12年で完成する見込み。最大の難問は、資本コストを誰が分担するかで、Hyperloop Oneはスウェーデン・フィンランドからの公的資金や民間投資の組み合わせを想定しているとのことです。
FS Linksプロジェクトを日本で置き換えると、東京-大阪を1時間以内でつなぐことができるため、FS Linksは北欧でのHyperloopプロジェクトですが、次世代の輸送システムとして注目に値しそうです。
http://gigazine.net/news/20160706-hyperloop-one-speedy-travel/
http://i.gzn.jp/img/2016/07/06/hyperloop-one-speedy-travel/a02_m.png
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