リオデジャネイロオリンピックの開幕が1か月後に迫りました。日本時間の来月6日午前8時から始まる開会式では、広島に原爆が投下された8時15分に合わせて参加者が黙とうをささげる計画があったことが、NHKの取材で明らかになりましたが、アメリカに対する批判と受け取られかねないとして懸念の声が上がり、最終的に見送られたということです。
これは、開会式の総合演出を手がけるブラジルの映画監督、フェルナンド・メイレリス氏が、NHKのインタビューで明らかにしたものです。
この中でメイレリス氏は、開会式が来月5日(日本時間の6日午前8時)から始まることを踏まえ、「原爆が投下された8時15分に、世界中の人たちと一緒に1分間の黙とうをささげたかった。平和のメッセージをショーに盛り込み、人類最大の悲劇について共有したかった」と述べ、開会式で追悼を行う計画だったことを明らかにしました。
しかし、組織委員会で検討した結果、「アメリカに対する批判だと受け取られかねない」と懸念する意見が出され、最終的には見送られたということです。
オリンピック憲章では、政治などの理由に基づく、国や個人に対する差別はオリンピックと相いれないとうたっており、広島の犠牲者を追悼することについても、政治的な意味合いを持ちかねないとの判断があったとみられます。
これについて、大会の組織委員会は「いろいろな議論はあったが、組織委員会としては開会式で追悼は行わないことを支持する」と話していますが、追悼の取りやめに至るまでの経緯は明らかにしていません。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160705/k10010584591000.html