白山国立公園にある石川県指定の天然記念物「白峰百万貫の岩」に、ロッククライミング用の「ハーケン」と呼ばれるくさびが少なくとも六本打ち込まれていることが分かった。県文化財課が確認した。県によると自然公園法違反や県文化財保護条例違反の恐れがある。県文化財課の浅田隆課長は「地域の歴史を示す資料価値が損なわれた。劣化の恐れもあり、ハーケンをすぐ抜くことは考えていないが注意して文化財を巡回したい」と話した。
ハーケンは今月十四日に岐阜県御嵩町にある国の天然記念物「鬼岩」で見つかったと発表されたばかり。クライミング人気が高まる中、行政の管理体制やクライマーのマナーの在り方が問われそうだ。
石川県などによると、白峰百万貫の岩は同県白山市にあり、高さ約十六メートル、横約十九メートル。車道から約百メートル離れた手取川の中州にある。ハーケンは川岸を走る車道の反対側に十九日の時点で六本打ち込まれていた。さびついたものもありハーケンを抜き取ったとみられる穴も複数あった。一帯は県が委嘱する指導員が年に一度巡回し、昨年六月十二日に巡回した際は見つからなかったという。
白山国立公園は富山、石川、福井、岐阜四県にまたがり、環境省白山自然保護官事務所によると、手取川流域は第二種特別地域。許可なく工作物の設置はできない。
ソース
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062702000127.html?ref=rank
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/images/PK2016062702100058_size0.jpg