土星の環が一部破れる、カッシーニが撮影
土星の環の中に、何かが潜んでいたようだ。
NASAが6月13日に発表した土星の画像に、土星の環のひとつで、比較的外側にある細いF環の一部が崩れている様子が映っていた。この氷の環の崩壊は、環の中に埋もれていた見えない物体の仕業である可能性が高い。
米国カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所のプレストン・ダイクス広報担当官によると、研究者らはこの特徴をジェットと呼び、よく見られる光景らしい。NASAの土星探査機カッシーニは、2004年に土星を周回し始めて以来、多数のジェットを観測している。
こうしたジェットは土星の衛星プロメテウスの引力によると考えられている。細長いジャガイモの形状をしたこの小さな衛星は、土星を周回しながらその重力によってF環の形を維持する「羊飼い衛星」のひとつ。しかし、同衛星の軌道は完全な円ではないため、不均一な重力によってF環の内部に雪玉の塊が生じ、それがジェットとして噴き出すというのがダイクス氏の説明だ。
科学者にとってジェットはそれほど驚きではないが、その拡大画像は以前にも増して貴重なものになりそうだ。
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