現役の神社宮司が「日本会議や神社本庁のいう伝統は伝統じゃない」「改憲で全体主義に逆戻りする」と真っ向批判
LITERA 宮島みつや 2016.06.01
http://lite-ra.com/2016/06/post-2296.html
三輪宮司は、冒頭から“日本会議は「皇室と国民の強い絆」が「伝統」だと主張しているが”という「週刊金曜日」の質問に対し、こう答えている。
「いや、それは『伝統』ではありません。江戸時代にはごく一部の知識階級を除き、『京都に天皇様がおられる』ということを庶民が知っていたか、はなはだ疑問です。本来神社とは地域の平和と繁栄を祈るためのもので、この日吉神社でいえば、江戸時代は氏神の地域と尾張国の繁栄を神様に祈願していました。明治になって、日本という統一国家ができたので、その象徴として『天皇』を据えたのです」(「週刊金曜日」より)
http://lite-ra.com/2016/06/post-2296_2.html
さらに批判は神社本庁にも及ぶ。三輪宮司は、国家神道が神道の歴史では極めて特殊であることを「今の神社本庁には理解できないのですね」と言い、このように解説するのだ。
「戦後、占領軍の『神道指令』で国家神道は解体されました。その後、神社は生き残るために宗教法人・神社本庁として再出発しますが、当時の神道界のリーダーは、ほとんど明治時代に神主になった人だったため、それ以前の本来の神道ではなく、明治政府が作った神道が『伝統』だと思ってしまった。その感覚が、戦後70年経ってもまだ残っているのです」(「週刊金曜日」より)